利用者の身体的サポートを行う上で、介護職はどうしても中腰姿勢をキープすることが多く腰に負担がかかってしまいます。そのため、腰痛は介護職の職業病とも言われている悩みのタネですよね。
予防法や対策は、まず正しい介護技術の習得です。正しい介護技術とは、正しい姿勢で行うことです。そのためボディメカニクスの知識があると、自分もサポートされる側も最小限の力で体の負担をなるべく軽減した状態でのサポートが可能となります。そして介助の際には何を行うか一つ一つ利用者へ声かけしながら行いましょう。そうすることでサポートされる側もどちらへ力を入れていいのかわかりますし、いきなり動かされて驚き余計な力を入れてしまうことを防げます。
自分の身体を鍛えることも、腰痛予防には有効です。腰痛は筋力が弱いことでも発症しやすくなってしまうので、ストレッチや柔軟をして身体を柔らかくしたり筋トレをして筋力を上げておくことで、腰痛予防にもなります。さらに介護ケアが前より少ない力で効率よく行えるようになるでしょう。福祉用具、または福祉機器も上手に活用しましょう。利用者を抱き上げて移動しなくてはいけない場面は多々ありますが、大きな力を使うような場面では姿勢を正したところで腰痛を防げる保証はありません。このような時に活用すべきなのが福祉機器です。移乗の際に使用できるスライディングシートや電動リフトがあると、楽々と利用者を持ち上げられます。抱き上げる際に手付き補助ベルトがあるだけでも、介護者の負荷はとても減らせます。効果のありそうな手段を積極的に取り入れて、腰痛をはじめとする介護の仕事で生じる悩みを解消していきましょう。